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不妊治療の基本

妊娠率と不妊原因について

妊娠率と不妊原因について

不妊治療において「妊娠率」を正確に数値化することは極めて難しいことを知っていますか?
本来、夫婦ごとの妊娠率は、施設の平均妊娠率とは無関係なのです。

 「妊娠したい」という不妊に悩むご夫婦の強い思いが、妊娠率という「分かりやすい指標」に頼らざるを得なくなり、その結果、治療施設を選ぶ際に高い妊娠率を誇る施設に足を運ばせてしまうことは、よくわかります。

  しかし実際のところ、夫婦ごとの妊娠率は、施設の平均妊娠率とは無関係なのです。なぜならば、不妊原因は男女ともに多岐にわたり、しかも複数の原因が複雑に重なり 合っていますので、同じ治療を行っても妊娠しやすさ、および流産しやすさは夫婦ごとに大きく異なるからです。解り易く申し上げるのならば、いくら妻側の治療がうまくいっても、精子の状態が悪いままでは妊娠率は向上しないということです。また、ARTにより妊娠に成功したとしても、その流産率は自然妊娠に比してかなり高いのも事実です。

 

同じ治療を受けても妊娠率は
ほぼ0%から100%に分布

夫婦毎の妊娠率は
施設の平均妊娠率とは無関係

不妊の背景因子は夫婦毎に異なり

複数の原因が複雑に絡み合っている

いくら妻の治療がうまくいっても
精子の状態が悪いままでは妊娠率は向上しない

 

  当然のことですが、自然に妊娠できる夫婦、もしくは治療が容易な不妊原因を有する夫婦に顕微授精などのARTを施すことにより、高い受精率と妊娠率が実現 します。一方、治療が困難な不妊原因を有する夫婦は、ひたすら治療を繰り返しても、妊娠できる可能性は極めて低いのが現実で す。

 その具体例として開業して16年における経験談を挙げたいと思います。10年以上の不妊治療歴があり、その間に顕微授精を30回以上施行され、結果として奥様が高齢化し、しかも一回も妊娠していないご夫婦など・・・驚くべき長い不妊治療歴を持った夫婦たちがたくさん訪れました。このよ うなご夫婦を拝見すると、2つのパターンがありました。精子精密検査 (➡詳細は黒田メソッド) により質 (機能) の異常が見つかり顕微授精は不向きであった場合、一方は精子の質に問題を認めなかったが結果として妊娠しなかった場合 (卵子の異常が認められた場合) です。このように、不妊の背景因子は夫婦ごとに異なり、不妊原因も多種多様ですから、夫婦ごとの妊娠率は施設の平均妊娠率とは無関係なのです。

 次に、私の専門である「精子」を例に挙げて、精子側からの正確な妊娠率の出し方について解り易く説明したいと思います。まず男性不妊を、精子数と運動率だけで重症か軽症か分類することは不可能であり、本来は精子の精密検査を基に、病態および精子機能 (質) を細かく分類して正確に統計を取る (数値化する) 必要があります。その上で、妊娠、流産、 先天異常の有無等を解析しなくてはなりません。さらに顕微授精施行例においても、個々に本当にその治療が必要だったかについても検証しなくてはなりません。ここまで細かく見極めて、男性不妊 (精子側) の妊娠率を正確に数値化することが可能になるのです。

 これまでの具体的な説明により、 「夫婦ごとの妊娠率は施設の平均妊娠率とは無関係であり」、「妊娠率を正確に数値化することは極めて難しい」ということを認識していただけたと思いま す。ですから、ホームページの妊娠率にばかり目を奪われないで、納得できる治療を選択していただきたいのです。

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