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精子学の専門家が極めて少ない

臨床精子学専門の婦人科医が少ない背景とは?

 これまでの不妊研究においては、女性を対象にする産婦人科領域では、当然のこと、女性側の不妊 (女性不妊) に関する研究 (女性内分泌、卵子・胚形成、子宮内環境など) が中心でした。男性側、とくに精子に関する研究は、家畜 (ウシ) 繁殖領域で盛んに行われてきましたが、産婦人科医に興味が持たれることなく、今日に至っている状況です。一方、泌尿器科領域においても、男性側の不妊 (男性不妊) に関わる基礎疾患 (精索静脈瘤など) の研究が精力的に行われ、精子に関する研究は大変出遅れています。私は不妊治療に携わる婦人科医として、研究が出遅れている精子に着目し、研究成果を男性不妊で悩む患者さんのもとに臨床応用できることを見据えて、あえてヒトの精子を対象とする「臨床精子学」の研究を志しました。

 現在でも臨床精子学を専門とする婦人科医は少なく、さらに臨床精子学に従事している泌尿器科医も全国で極めて少ないのが実情です。

 

精子を専門とする婦人科医が極めて少ない

さらに問題なのは

臨床精子学を専攻する泌尿器科医も

極めて少ない

 

医師側 (婦人科・泌尿器科) の
臨床精子学の知識と精子取扱い技術が不足

運動精子の数が少ないから
精子の状態が悪いから
とりあえず顕微授精しましょう

 私は、精子を専門とする不妊治療に携わる婦人科医として長年臨床の現場に立ち、痛感したことがあります。それは「ヒト精子に関する正確な知識と技術が出遅れた」ことが「顕微授精を普及させた」こと、さらには「顕微授精のリスクに繋がっている可能性がある」ことです。