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日経DUALの記事を読んで・・・ご夫婦の生の声②

Bさん (研究者 妻)

私が実際に不妊治療を体験して感じた、現場の問題点を以下に挙げてみます。

 黒田先生がいつも話される、「不妊治療で生まれてくる子どもの安全性が十分に説明されていないことです」

 不妊治療を始めた頃は、とにかく「妊娠すること」が第一の目標で、臨床例が多く妊娠率の高い有名な産婦人科病院へ通いました。夫は乏精子症でしたが、そこの院長先生は「精子は元気なのが 1匹いればいい」という考え方で、顕微授精により胚盤胞を3つ移植しました。妊娠はしましたが、染色体上異常で流産しました。流産してみて初めて、「生まれてくる子どもの安全性」について、ようやく少しずつですが考えるようになりました。ネットの情報で、胚盤胞移植の場合、複数個を移植すると お互いがくっつきあって、キメラ胎児になってしまう可能性もあることを知りました。その産婦人科病院では、そのような説明は一切ありませんでした。その産婦人科病院では、もう一度胚盤胞移植を受けましたが、その際には、産婦人科病院が複数個の胚盤胞を移植しようとしたのを断り、1個だけ移植してもらいました。やはり妊娠しましたが、前回同様に染色体異常で流産しました。

 同じ失敗を繰り返したことと、産婦人科病院の説明不足に不信感を抱いたことで、転院することにしました。その頃、黒田先生の著書で「科学的評価によって精子を選別する」方法があることを知り、黒田先生のクリニックに通うことにしました。他にも、有名なクリニックに相談に行きましたが、どの院長先生も やはり「精子は元気なのが 1匹いればいい」という考え方に失望し、黒田先生のクリニックを選びました。黒田先生のクリニックですぐに妊娠し、無事に元気な子どもを出産することができました。

 不妊治療を受けようとする患者は、最初は治療についての知識がほとんどありません。どのクリニックも、治療スケジュールや妊娠率などは詳しく説明してくれるのですが、胎児の安全性については、ほとんど説明がありません。患者側も、「妊娠」が第一の目標になってしまうので、胎児の安全性までは気が回らないことが多いのです。不妊治療には いろいろなステップ (とくに顕微授精の場合には、どのような精子を選ぶのか、受精卵をどこまで培養するのか、何個の受精胚を移植するかなど) があり、それぞれのステップで どのようなリスクが伴うのか、黒田先生のように科学的根拠に基づいたきちんとした説明をするべきだと思います。しかし、多くのクリニックでは、患者に対して十分な科学的説明がされておらず、危険な治療が日々行われています。