精液検査

顕微授精を3回以上行っても結果に繋がらないご夫婦は、黒田IMRの院長カウンセリングと精液検査を是非受けてください。黒田IMRでは「男性不妊、即 顕微授精」という固定概念から脱却した、「貴方の精子のタイプに最適な男性不妊治療」を具体化させてから、高度な精子側の関連技術を駆使した「貴方だけの個別化生殖補助医療技術」を提供します。

以下に黒田IMRの精液検査について解りやすく解説します。手順や費用に関してもご案内しますので、一読ください。

黒田IMRの精液検査をお勧めできる方

黒田IMRでは、以下の方々に精液検査をおすすめしますので、ご検討ください。

1 すでに生殖補助医療を繰り返しているが、全く成果に繋がらないご夫婦

(1) 顕微授精を3回以上行っても結果に繋がらないケース
(2) 初期胚移植・胚盤胞移植まで進むが、全く着床しないケース
(3) 胚分割の停止、胚盤胞まで進まない等で、全く胚移植に至らないケース
(4) 顕微授精のリスク(先天異常児との因果関係)を心配されているケース
(5) このまま終わりのない辛い不妊治療を継続しても無意味ではないのか
   同じ治療を反復しても無意味ではないのか
   不成功の原因に関する明確な説明がなく、通院が無意味ではないのか、
   など、不安感・不信感を抱いている夫婦

2 妻の年齢が40歳代で、妊活の時間的な効率化を図りたいご夫婦

3 体外受精や顕微授精等の生殖補助医療の実施を検討しているご夫婦

4 これまでに精液検査・精子検査をした経験のある方で「精子の状態が悪い」等と言われて不安を感じている方、結果に納得がいかない方、もう一度検査をやり直したい方

5 もしかして「男性不妊かもしれない?」と心配している方

6 妊活中だが、なかなか妊娠しないご夫婦

7 妊活に向けて「何からしたらいいの?」とお困りの方

8 「精子の健康診断」「精子ドック」「ブライダルチェック」を試みたいと思われる方

9 精液の量(多い、少ない)、色(赤っぽい、黄色っぽい)、性質(水っぽい)の変化を心配されている方

10 以下のような疾患の罹患経験がある方
(1) 性感染症や耳下腺炎の罹患後で精巣炎の既往がある方
(2) 精巣外傷後の方
(3) 抗がん剤や放射線の治療後の方

一般的な精液検査でわかること、わからないこと

一般的な精液検査(WHO基準値)は手技も簡単で、しかも高額な設備投資も必要ありません。しかし正直なところ検査の精度は低く、正確な精子妊孕性(姙娠させる精子の実力)を見極めることはできません。一方で黒田IMRの精液検査は、一般の精液検査で検知できない弱点を克服した高精度な精子検査です。以下に両者の精液検査の「違い」を解説します。

一般的な精液検査でわかること:検査項目と正常値

一般的な精液検査では、3~5日間の禁欲期間をもって採取した精液を通常の位相差顕微鏡で観察し、主に ①精子の頭部形態、②精子濃度(1mlあたりの精子数)、③運動率(運動精子の割合)等を算出します。

現行の生殖補助医療の現場では「楕円頭部の運動精子=良好精子」という認識にありますので、WHO基準値(以下、参照ください)を満たさない場合には、即「男性不妊」と診断され、精子数が少ない場合には「乏精子症」、運動率が低い場合には「精子無力症」という診断名がくだされます。

精液検査の正常値
※WHOマニュアル(第5版)により

検査項目 下限値
精液量 1.5ml以上
精子濃度 1500万/ml以上
総精子数 3900万/射精以上
前進運動率 32%以上
総運動率 40%以上
正常精子形態率
(厳密な検査法で)
4%以上
白血球数 100万/ml未満

一般的な精液検査でわからないこと:注意事項

精巣から造られてくる精子の中には、「精子の形や動きが悪い」とか「精子が少ない」というような、見た目で簡単に判定することができない(見た目ではわからない)異常をもった運動精子がたくさん混在します。つまり、見た目が正常な運動良好な精子の中にも隠れた多様な異常をもっている精子(これを隠れ異常精子という)が多いということです。すなわち、見た目だけでは精子妊孕性を正確に評価することはできません。隠れ精子異常を検知できないという点では、現行の一般精液検査の診断精度は高いとは言えません。

最も注意しなくてはならない点は、
 (1)  男性不妊の方には隠れ異常精子率が高い傾向が認められる点、
 (2)  隠れ精子異常がある男性不妊の治療は難航する傾向にある点、
 (3)  隠れ精子異常を検知できないので、見逃されたまま間違った男性不妊治療が選択されてしまう
     危険性
がある点です。
 (4) 隠れ異常精子が授精して妊娠、出産に至った場合に出生児の健康に影響を及ぼすリスクが
    ある点です。

黒田IMRの精液検査でわかること、真価は?

隠れ精子異常があると男性不妊治療は難航しますので、本来 事前にその有無を把握しておくことが不可欠になります。黒田IMRでは、現行の一般精液検査で検知できない『隠れ精子異常を調べられる精子精密検査』を実施しています。

黒田IMRの精液検査でわかること:検査項目

分子生物学的な手法で特別な顕微鏡を用いて、以下の『隠れ異常の項目』を詳細に検査します。具体的には「精子DNA・先体・細胞膜・頭部空胞・ミトコンドリア」等の「頭部・中片部・尾部の機能や内部構造を含む形態」を詳細に調べて「精液の中から隠れ異常のない運動精子が選別、回収できる比率」を算出し、正確な精子妊孕性を見極めます。

【黒田IMRの精液検査で検知できる隠れ精子異常項目】

 1. 頭部の外部形状 および 尾部の形態検査
 2. 頭部の内部構造・空胞の検出検査
 3. 頭部の膨潤試験
 4. 頭部の先体の構造・局在検査 および 先体の機能検査
 5. 精子DNA断片化・DNA損傷の検出検査
 6. 頭部の細胞膜損傷の検出検査
 7. 凍結保存における精子耐凍能力検査
 8. 中片部ミトコンドリアの形態・局在検査 および
   中片部ミトコンドリアの代謝・機能検査
 9. 精子結合抗体検査

黒田IMRの精液検査の真価:他院との違いは?

黒田IMRの隠れ精子異常を検知できる精液検査では、正確な精子妊孕性を見極めることが可能になりますので、精子側から治療の見通しを予測できるようになります。その結果、精子側から治療の適正化と効率化を可能にしますので、成功への近道に繋がります。

【黒田IMRの精液検査の真価:他院との違い】
黒田IMRの精液検査により、
● 「隠れ精子異常があるか否か」について
科学的根拠に基づいた精子詳細情報を把握できますので、
● 「妊娠させられる精子の実力=精子の実効偏差値」すなわち
科学的根拠精子妊孕性を正確に評価することが可能になります。

言い換えれば、黒田IMR精液検査は、
「顕微授精に供しても安全な精子なのか否か」も含めて
● その後の治療の適正な方向性・有効性、治療に伴うリスクを予測できる 精子精密検査に
  なります。

結果として、色々な側面から効率的になりますので、上手な妊活に繋がります。

【正直な話:ぜひ読んでください】

私自身、精子学を専攻して約40年弱になりますが、痛感したことは、特に顕微授精をかなりの回数繰り返されている長い治療歴を持つご夫婦でも「精子に関する正確な知識と情報量が極めて少ない」ことです。大半のご夫婦は「精子の状態が悪いので、顕微授精をしましょう」「顕微授精ならば1匹でも精子がいれば妊娠可能です」「顕微授精は安全です」と説明されて治療を繰り返され、その結果 成果に繋がらず しかも反復不成功の原因・理由が全くと言っていいほどに説明されていないまま過ごされてきています。

正直なところ、顕微授精を反復されても結果にならず苦労されている方の精子を詳細に調べてみますと、その約8割に隠れ精子異常が発覚します。また現状の不妊治療の現場において最も怖い点は、「隠れ異常を有する運動精子」を用いた顕微授精で生まれた子供には何かしらの悪影響が生じる可能性がありますが、「顕微授精のリスク」に関する危機管理意識が極めて乏しい点にあります。

上手に妊活するためにも、隠れ精子異常を検知できる黒田IMRの精液検査を是非受けてください。その後の適正かつ安全な治療方針を具体化できますので、妊活の効率化に繋がります。「男性不妊、即 顕微授精」という固定概念から脱却して、黒田IMRでしかできない卵管型微小環境体外受精(人工卵管法)で上手な妊活を、顕微授精をやめる第一歩のお手伝いをさせてください(詳細は後述)。

黒田IMR精液検査の流れ、精液検査の費用

黒田IMRにおける精液検査の流れは、「初診申し込み・お問い合わせ」の項をご参照ください。解りやすく解説しております(検査費用も含む)。

男性不妊治療に成功する鍵は? 黒田IMRの『隠れ精子異常が発覚した男性不妊』に対する具体的な治療の取り組み

黒田IMRの不妊治療は、初診カウンセリングから精子精密検査、妻の検査、排卵誘発、採卵、卵子と精子のハンドリング、受精から胚培養管理、胚移植、精子と胚の凍結、母胎管理に至るまでの全工程における技術の提供を主治医である院長自らが一人で行っております。全工程を一人で行うことは、診療効率の観点からみれば極めて非効率ですが、黒田IMRの院長には、長年にわたるヒト精子の研究者として経験と生殖医療専門の婦人科医師としての経験があります。両側面の視点を持っているからこそ全工程を一人で実施でき、結果として全体像を把握して『基礎的知見と臨床経験を集積し得た個別化不妊治療』を提供できるのです。

具体的にいえば、
(1) 高度な精子選別技術で精液から精子の分離精製を行います。
(2) 精製した精子の状態を分子生物学的に高精度解析し、隠れ精子異常の有無も含めて正確な
   精子妊孕性を見極めます。
(3) 黒田IMRには、高度な精子選別技術と高精度な精子評価技術があるからこそ実践できる訳ですが、
   重度な男性不妊治療に対しても、私ども精子研究チームでPost-ICSIとして開発した
  「人工卵管法」という、受精に用いる精子数を低減化できる卵管型微小環境体外受精法
   展開できることにより顕微授精を回避することが可能になります。

人工卵管法により顕微授精を回避できることは、「顕微授精に伴うリスクを回避できる」ことにも繋がりますが、一方で穿刺されて卵子に穴が開くという「卵子への負担を軽減させる」ことにも繋がりますので、結果として重度な男性不妊治療のみならず妻が40代の不妊治療においても、高い受精率・胚移植率・妊娠率が得られます。ここに『黒田IMRの強み』があります。

院長が精子学を専攻した産婦人科医師だからこそ、結果として、その精子のタイプに最適な男性不妊の治療戦略を組み立てて『黒田メソッドによる安全な個別化治療』の提供を可能にします。また同時に、妻側の卵巣機能の排卵誘発や胚成長させる培養環境の条件、胚移植日、その後の管理に至るまでを最適に個別化管理することもできるのです。ここに『黒田IMRの真価』があります。

【黒田IMRの隠れ精子異常による男性不妊治療法】

 1. 高度な精子選別技術で『高品質精子を分離精製』します。

 2. 高度な精子検査技術で『隠れ異常精子を検知』します。

 3. 高度な培養技術で『卵管型微小環境の体外受精法』という『人工卵管法』に展開します。
   人工卵管法による体外受精には、
   ① 受精に必要な精子数を低減化できる
   ② 顕微授精のリスクを回避できる
   ③ 顕微授精による卵子への負担(針の穿刺により卵子に穴が開くという負担)を
     軽減させられる
   等のメリットがあり、
   男性不妊治療ならびに高齢化女性の不妊治療として効果的で、しかも安全です。

【黒田IMRの不妊治療が目指す安全対策の基本方針】

一般的な生殖医療の現場では「乏精子症」「精子無力症」の場合、「即 顕微授精」に展開されますが、「命を造り出す」不妊治療においては「安全が全てに優先」します。黒田IMRの不妊治療が目指す安全対策の基本方針は、極力顕微授精を回避すること、要するに限りなく自然妊娠に近づけるように人為的な医療介入を減らすことにあります。

繰り返しになりますが、顕微授精反復不成功例の精子を詳細に調べてみますと、その約8割に隠れ精子異常が発覚します。以下に、黒田IMRにおける事例を紹介したいと思います。

顕微授精反復不成功への黒田IMRの対処事例を紹介

【ケース1】黒田IMR受診までに顕微授精23回反復不成功という、長い治療歴があるご夫婦。黒田メソッドによる人工卵管法2回目で妊娠成立。健常児の出産に至る。 ケース1のご夫婦は、3ヶ所の不妊治療専門施設で合計23回の採卵と顕微授精を繰り返されてきました。なかなか胚移植にならないため、心折れながらも「頑張るしかない」という思いで治療を継続されてきました。

治療が長引くに伴って30代だった妻の年齢が40歳になり、担当医師からは「急がないと卵子が取れなくなる」と指摘され、「卵子の老化」ばかりが強調されてきました。一方で精子の状態は、一般的な位相差顕微鏡で観察した限りでは平均して「精子数 約6000万/ml、運動率 約70%」と正常範囲でしたが、「顕微授精で確実に授精させる方がいいですよ」と言われ、顕微授精が繰り返されました。何となく矛盾を感じながらも「諦めることは赤ちゃんを諦めること」という思いで「次こそ・・・」と頑張り続けました。

なかなか結果に繋がらない状況で「同じことを繰り返していても・・・」という考えに至り、精子の中に隠れた異常を検知できる黒田IMRの精子精密検査を希望され、受診されました。精査の結果、多様な『隠れ精子異常』が発覚しました。具体的に言うと、精子頭部の中に収納されているDNA鎖に軽度な傷から重度な切断まで様々なステージのDNA損傷が約50%に認められました。同時に、約30%に頭部の細胞膜損傷がみられた他、約70%に頭部の中に空胞(穴)が散在するタイプの多重隠れ異常精子であることが判明しました。幸いにも受精する機能(先体機能)は正常でしたので、高精度な精子選別を行った上で『人工卵管法』という、受精に必要な精子数を少なくて済む『卵管型微小環境の体外受精』にステップダウンしてみました。人工卵管法は精子の量(数)より質(機能)が生かされる高効率媒精による受精法ですので、卵子に針を刺して人為的に授精させる顕微授精に伴うリスクを回避することが可能になります。また、穿刺されないので卵子への負担も軽減され、結果として胚の品質確保にも繋がるという点では、一層安心安全な優れた受精法です。2回目の人工卵管法で妊娠継続し、満期産で出産に至りました。

高精度に精子の選別を行い、精子の機能を見極めた上で、従来の百分の一以下の精子数で体外受精ができるようになったことが、顕微授精を繰り返しても不成功に終わった夫婦の妊娠に繋がったと考えられます。日々の男性不妊治療から学んだことは、生殖補助医療の主役となっている顕微授精が決して万能なわけではなく、精子の品質管理をした上で顕微授精と人工卵管法を適材適所で使い分けることが重要だということです。このケースは、まさに私たち精子研究チームが提唱する『精子の精密検査を優先した不妊治療モデル』による適材適所の治療法の選択が成功した例です。

【ケース2】黒田IMR受診までに顕微授精3回反復不成功のご夫婦、妻が30代後半。3回とも受精率0%。全く受精しない原因は、妻が間もなく40歳になることから「卵子の老化」にあると説明されてきたが納得できず、黒田IMRの精子精密検査を希望。精査の結果、遺伝子異常に起因する重篤な隠れ精子異常が発覚し、治療断念を視野に入れた展望を話す。ご夫婦は、このまま引き続き顕微授精を繰り返しても反復不成功という「辛すぎる終わりのない不妊治療」に陥り、治療の止め時を見失う可能性を考慮し、治療断念という決断に至る。

ご夫婦は、顕微授精の利点は「1匹の運動精子がいれば授精を可能にさせて妊娠させられること」と説明されていたので、「3回も顕微授精を反復しているのに3回とも全く授精しなかったことは何かおかしい!」という考えに辿り着き、精子に何かしらの問題がある可能性を疑い、黒田IMRの精子精密検査を希望し、受診されました。

乏精子症でしたが、精密検査の結果、精子DNA構造の安定性は高いタイプでした。しかし一方で精子頭部の内部構造を解析したところ、ほぼすべての運動精子の先体(精子頭部の前半部を覆う袋状の小器官で、その中には卵子に侵入する際に必要な加水分解酵素が入っている)が欠損している「先天性先体欠損精子」であり、かつ頭部に空胞が認められる「頭部空胞精子」でした。これらの重篤な多重隠れ精子異常の背景には遺伝子の問題(遺伝子の突然変異)が関与していることから、受精率0%を繰り返させた原因は卵子の老化ではなく、遺伝子異常(先天異常)に起因する可能性が高いという見解に至りました。残念ながら、顕微授精は遺伝子異常を克服できる技術ではありません(先天異常には対応できません)ので、治療は困難と判断し、治療断念という決断に至ました。

黒田IMR院長のコメント

黒田IMR 院長は、「不妊症は一括りにできない」という考えのもと、患者さま一人ひとりに必要な検査を行った上で、患者さま一人ひとりに適切な治療プランを立てて、『黒田メソッドによる安全な個別化治療』をご提供しています。また黒田IMRは、完全予約制・完全個室制による落ち着いたプライベート空間になっているクリニックですので、他の患者様ご夫婦に会うことなく通院できます。心身ともにリラックスして安心安全な生殖補助医療を受けてみてください。

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